英国駐在員の日々雑感


by winchesterpark
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ナショナルトラスト紀行(Hughenden Monor)

イギリスのヴィクトリア朝期の政治家である「ベンジャミン・ディズレーリ」Benjamin Disraeliの邸宅
「Hughenden Monor」を訪れました。
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ディズレーリはあのチャーチルやサッチャーが所属していた保守党の政治家で、1868年から1880年にイギリスの首相として活躍しました。ディズレーリが過去の首相とはかなり変わった経歴をもっているので、今でも英国中から、「Hughenden Monor」を訪れる人が堪えません。特に次の選挙で現与党の「労働党」から「保守党」復帰の声が強く、熱心に彼の残した文書を読んでいる人が多く、とても印象的でした。
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 まず、彼は英国歴代首相の中で唯一の「ユダヤ人」ということです。ただし彼は13歳の時に洗礼を受けてキリスト教徒となっています。また経歴も弁護士→株式投資家→小説家と転々とし、1826年に発表した小説『ヴィヴィアン・グレイ(Vivian Grey)』が大きな反響を受け、そこから政治家としての頭角を現します。彼は、1832年から、現在の野党である保守党から出馬しますが、4度落選し、1837年に35歳でようやく当選します。その後は3度の大蔵大臣、2度の首相と、まさに大英帝国の黄金期を支えた首相といわれています。
 中でも有名なエピソードが、「ヴィクトリア女王」との中のよさです。恋仲と言われたほど、二人の関係は親密で、王室からの絶大なる信頼を得ていました。女王は宮殿の庭先で摘んだ桜草(Primrose)を何度も、ここ、「Hughenden Monor」に贈ったというエピソードがあります。このエピソードにちなんで、彼の命日は桜草忌(Primorose Day)、保守党の党員団体は桜草連盟(Primorose League)と今でも呼ばれています。
 もう一つは、「ロスチャイルド家」とのコネクションです。スエズ運河買収(1875年)時に大蔵省時代のユダヤ人とのコネもあり、「ロスチャイルド家」から多額の資金調達を実現したことで有名です。
当時は、「大英国主義」と「小英国国主義」に世論が二つに分かれていた時代でしたが、スエズ運河買収は名実ともに「大英帝国」の発展を象徴するような、歴史的ターニングポイントと言われています。
「Hughenden Monor」から眺めた景色
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邸宅には図書室があるのですが、彼の勤勉家ぶりが手に取るようにわかるようでした。
そんな勤勉家のデイズレリーは数々の名言を残しています。

まずは、統計データの信憑性を皮肉った

“There are three kinds of lies: lies, damned lies, and statistics”
「世の中には3つの嘘がある。一つは嘘、次に大嘘。そして統計である」


そして、D・カーネギーが著書「人を動かす」の中で、大英帝国の史上最高に明敏な政治家の一人、ディズレーリのことばであるとして引用された次の名言。

「人と話をする時は、その人自身のことを話題にせよ。
そうすれば、相手は、何時間でもこちらの話を聞いてくれる」


まさに、大英帝国時代に「王室」「ユダヤ人」をも自由に操った名首相の名言です。
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by winchesterpark | 2009-08-02 21:51 | 英国紀行